大判例

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東京地方裁判所 昭和51年(ワ)6469号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【説明】

「原告は、産業サービス株式会社(以下産業サービスという。)との間で、継続的商品販売取引契約を締結し、被告は同日原告に対し産業サービスの右契約上の債務につき連帯保証した」。そして、被告に対し右保証債務の履行を求めた。これに対して、被告は、「本件連帯保証契約は、原告と産業サービスとの間の継続的商品販売取引により発生する商品代金債務を包括的に担保することを目的とするもので、一種の根保証契約というべきであるから、これには身元保証ニ関スル法律第五条の規定が当然類推されるもの」としてその一部の免責を主張した。

【判旨】

二そこで、被告の抗弁につき判断するに、本件連帯保証契約は一種の根保証契約であるから、仮に被告に対し原告の産業サービスに対する前記残代金全額につき右契約上の責任を負わせることを不相当とする事情が存するときは、当裁判所において身元保証ニ関スル法律第五条の規定を類推適用して被告の右責任を相当と認める限度制限することができることは被告主張のとおりであるけれども、当裁判所は、後記のとおり、本件においては右のような事情は存しないものと認めるものである。

すなわち、<証拠>によれば次の事実が認められる。

被告は、飲食業を営む者で、山本とは昭和三五、六年ころから取引上知合うようになつたものであるが、相当資産を有していたところから、山本が昭和四七年三月二日冷凍食品の販売等を目的として資本金三〇〇万円で産業サービスを設立するに当り、右資本金全額に相当する金三〇〇万円を山本に貸与し、その後も産業サービスの営業資金として必要に応じ金三〇〇万円、金五〇〇万円と山本に貸与し、産業サービスが取引先の倒産に連鎖して昭和五一年一月二二日倒産するに至るまでに自己資金によるものだけでも少くとも六、〇〇〇万円にのぼる金員を貸与したものであること。

被告は、当初産業サービスの株主にも、また役員にもなつていなかつたが、その後前記貸借関係に関連して、昭和五〇年八、九月ころ、産業サービスの取締役に就任し、次いで、昭和五一年一月一〇日山本の計画と実行により産業サービスの営業の一部を承継することを目的として同日既存の会社の商号変更等により新たな営業活動を開始した訴外株式会社ユアーズ千葉の代表取締役に就任し、さらに、同年二月一七日、山本の計画と実行により産業サービス倒産後の営業の継続、負債の整理等を目的とする新会社として同日設立された訴外株式会社ニユーユアーズレンポーに右設立とともに取締役として就任したこと。

被告は、以上のような関係から、日常産業サービスの営業活動には関心をもつて右会社に出入りし、その代表取締役である山本とは相当親密に接触していたため、右山本の報告や日常の会話等から産業サービスの原告との取引を含む営業活動の概況を把握していたものであり、原告からの本件商品買入れも、被告の全く関知なく行われたものではなかつたし、ましてや被告の全く予想しえないようなものではなかつたこと。

以上の事実が認められる。<中略>

右認定の事実によれば、本件においては被告に対し原告の産業サービスに対する前記残代金全額につき本件連帯保証契約上の責任を負わせることを不相当とする事情は存しないものと認めるのが相当であ<る。>

(松尾政行)

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